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鎌ケ谷市議会議員 針貝かずゆきの市政日記!

今、鎌ケ谷市でなにが起こっているのか!? タイムリーな話題を最速アップ!

市政報告会無事終了 H23年度決算について

今回の市政報告会は本当にたくさんの方に来ていただき感謝です。
また、久しぶりにお会いできた方々とお話ができて楽しかったです。
ありがとうございました!
定期的に開催しますので、ぜひまたお越しください。


来週の木・金で地域新聞に市政報告書を織り込む予定です。
片面は若井やすひこ衆議院議員の国政報告書です。
来週の地域新聞は注目してくださいw

その記事に書いた決算についてを転載します。


H23年度決算

前々から「今年の決算はかなり良い」という噂を聞いていたが、8月下旬に発表された決算は、実質収支15億408万3千円の黒字で過去最高を二年連続更新した。H23年度普通会計の決算額は歳入が304億5千918万2千円、対前年度比3.4%増である。経常収支比率は91.9%で、最悪のH19年度99.6%に比べると相当回復した。しかし、H19年度ですら133億あった地方税の歳入がH23年度は130億に減少している。構成比でいうとH19年49.3%あったのがH23年では42.8まで減少した。H19年度に比べ人口は4千人増えている。では、どうして財政が良くなったかと言えば、様々な要因があるとはいえ、一番大
きいのは国の交付金が増えたからである。H23年度は35.4億円。H19年度21.6億円である。臨財債を含めた国の地方交付税総額はH19年度17.8兆円だったものが、H23年度は23.5兆円である。民主党政権になってから、地方に手厚い補助をしたのは間違いない事実である。24年度の普通交付税も見込額より4億4千万ほど多い34億9千万が決定額となった。では、鎌ケ谷市の財政は安泰か。そう楽観視は出来ない。なぜなら、国の財政がそれほど良いとはいえないからだ。国の税収はH19年度が51兆円でH23年度は40.9兆円。では、鎌ケ谷市にはどのような財政的な選択肢があるだろうか。わたしは基金を積むことだと思う。実際、鎌ケ谷市は財政調整基金をはじめ様々な基金を積んでいる。合計額は39億4千万円である。H19年度は8億8千万円。よく、財政を家計に例えるが、給料が減ったり、会社が倒産した時、なにが重要か。貯金ではないだろうか。

反原発、親原発、の感性


わたしのように、福島事故後反原発になると、「今まで原発反対のはの字もいわなかったくせに、事故が起きたら反対とは都合のいいやつめ」といわれる場合があります。しかし、事故を見て体験して意見を変えるのは真っ当です。過ちては則ち改むるに憚ること勿れ、だと思ってます。

反原発派、親原発派、親原発ではないが現実を見て理性的に原発を継続せよ派、大きく分けるとこの三つでしょう。これらの三者は人間的な本質の中身が違うのか?

どうも、話していたり、聞いている限りだと、生活圏で意見が分かれることが多い気がします(統計的に断言できるサンプル数でないのでその程度のものとしてお聞きください)。鎌ケ谷市や千葉県北西部では反原発、反原発まで行かなくても、嫌原発が多いです。それは、ここら辺がホットスポットで、東京西部や埼玉にくらべると放射線量が高いからではないでしょうか。

毎日放射線量の心配をして、数値を気にしながら暮らす地域と、放射線が全然届かない地域の人の事故に対する感性が違うのはある意味当然といえば当然かも知れません。子供がいるいないでも違ってきます。遠く離れたドイツやイタリアが日本よりもシビアに事故を受け止めているという逆説もありますが、ドイツなどは再生可能エネルギーが10%以上と普及していて梶を切りやすい、などなど、他の要素もあります。また、小数ですが反原発=左翼というイデオロギー的嫌悪もあります。

わたしは、例えどんなに便利でも、一度壊れると取り返しがつかないものを、生活に用いるべきではない、という立場です。しかし、その立場も、この地域に暮らし子供がいるから、というものに由来している可能性があります。正義とは確固たる何かではなく、常に議論をして導き出す努力をするもの、というのも、一人一人外的な要因が異なるが故だと改めて感じました。

ボランティア 被災地ルポ

 妻の母親の実家が岩沼市で、周辺の被害が甚大だと聞いていた。ネットなどで調べると、岩沼の南に位置する亘理町も被害がひどく、ボランティアを募集していた。聞いたことのない町だった。テレビ等で多く報道されている被災地は、ボランティアが充足しているという情報もあり、あまりポピュラーではなかろう亘理町に行くことにした。

 鎌ケ谷から行くと高速を使っても5時間近くかかってしまう。日帰りは困難だ。前日は妻の実家の加須に泊まる。朝5時に出発。東北道をひた走り白石で降りる。一般道を走っていると、空き地に真新しい車が積み上げられている。被災した車の一時保管所との張り紙が。コンビニに寄ったが、品揃えは千葉となんら変わらない。物資は足りているらしい。亘理町ボランティアセンターまで3時間半ほど、8時30分頃到着した。

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SA3E0054 posted by (C)k.harikai

 作業着姿のボランティアの人たちが集まっていた。がらがらと猫車が行き、スコップや鋤簾を担ぐ人々、指示や確認の声が飛び交う。物々しい、活気がある。まずはボランティア登録をする。名前と住所を書くだけだ。ガムテープに「ハリカイ」と書いて服の目立つ部分に貼り付ける。最初から汚れても良い服装で行ったので、長靴を履くだけで準備万端ととのう。わたしのようにTシャツにズボンというボランティアはたくさんいた。ただ、これから行く人たちにはツナギや作業着といったそれらしい服装で行くことをお勧めする。これからは、暑さ対策もした方が良いだろう。

 登録が終わると並べられた椅子に座り仕事が振り分けられるのを待つ。病院や銀行の待合いのようなものだ。すでに20人くらいが待っていた。マッチングといって、被災者の要望と、我々ボランティアが望む仕事をすり合わせる。わたしはお役に立てるなら何でもやるつもりだが、どうせなら力仕事がしたかった。逆に、女性は避難所や遺留品の整理などを希望していた。

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SA3E0053 posted by (C)k.harikai

 15分ほど待って、わたしは個人宅の泥だし、床板剥がしのグループに配属された。メンバーは10人。その中から一人リーダーを決める。現地までの移動手段はマイカーだ。募集要項でもマイカーで来てくれると助かる、と書いてあった。電車で来ているボランティアもいるので、3台に分乗して出発。軽トラで来てくれた人がいて、その車にスコップ等の資材、猫車三台を積む。

 現地の番地は教わるが、現地まではボランティアさんのマイカーのカーナビを頼りに行く。みんな不案内な土地なので、手探り状態でどうにか到着。亘理町には海から2キロほどのところを高速道路が通っている。高速道路は土手のように作られていて、この高速の山側と海側で町の明暗が分かれた。高速より山側にある地域は海水と泥の進入ですんだようだが、海側の地域は津波をもろに受けていた。わたしたちの担当は山側の地域だったので、家屋の損傷はなかった。ただ、70cmは海水につかっていたので、泥が堆積したり、畳や床板がやられていた。大量のゴミ袋が出されており、半透明の袋の向こうに任天堂ゲームキューブなどの家電が見えた。水でやられたのだ。

 わたしはまず床板を剥がす部隊に配属され、8畳ほどの床板を剥がすのだが、これが一筋縄ではいかない。床板は畳の下に敷いてある板である。素人がバールやハンマーをもってしても容易に剥がせるものではないのだ。中央部分は剥がせたが、端の部分は、家の柱や敷居に食い込んでいて、釘をぬくことすらできない。仕方なく、剥がした中央部分から泥を出すことにした。

 小休止の時、ある若いボランティアさんが飴をくれた。糖分補給だという。しかし、個包装になっている袋にはノンシュガーと書かれていた。飴をくれた人は自分の周囲の3、4人にしか配らなかった。年配のボランティアさんから、こういう場合は全員に配るように、と注意されていた。

 床板剥がしとその中の泥出しが一段落し、家の裏手に回り泥だし。猫車10台分くらいの泥があっただろうか。この日は快晴で風が強かった。泥の表面は乾き、砂埃が全身を襲う。マスクとゴーグルは必需品だ。「晴れてる日は砂埃がつらい。雨の翌日は泥が重たくてしょうがない。どっちもどっちだ」とベテランは言う。

 昼食時にはビニールシートを敷き、持参した昼食を摂る。わたしの食料は高速のSAで買ったおにぎりとサンドウィッチだ。登山用ガスコンロでお湯を沸かしてカップ麺を食べている人もいれば、フランスパンをまるまる囓っているだけの人もいた。一緒に食べた二人はそれぞれ京都と仙台から来ていた。仙台周辺はすでにボランティアが充足しているので、ここまで来たと言っていた。京都から来た人も、最初仙台に行ったが、ボランティアが充足しており、ここを探し当てたとのこと。京都の人は妻と一緒に来たと言う。交通費だけで往復7万はする。これをどうにかして欲しいと困っていた。わたしは土日高速千円を利用したから、ガソリン代も込めて7000円ほどだった。遠くから来る人はそう簡単には来られない。もっとも遠い人でシンガポールから来たという人が居た。シンガポールはかなり稀だと思う。でも、関西や九州という人はざらにいる。民主党は今こそ高速道路を無料にするべきだ。ETC割引は即刻止めよ。そして、ボランティアセンターではガソリン満タン無料券を配るべきだ。

 昼食後は細かい作業になった。大体の泥は掻き出したので、植木の周辺を小さなスコップで考古学者のように泥を除去していた。3時半終了の予定が、皆で効率よく作業した結果3時に終了した。

終了時にチームの人に撮ってもらった。わたしの後ろに積み上げられているのが掻き出した泥。
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SA3E0058 posted by (C)k.harikai

 ボランティアセンターにもどると、ボランティアのための炊き出しがされていた。芋煮だ。肉がたくさん入っていてかなりうまい。チームメートと雑談をする。やっぱり日本人として居ても立ってもいられなかった、とある人はもらしていた。大体みんなそういう思いで飛び出してきた人が多い。かく言うわたしも金曜日に思い立って日曜日に行った。健康であり最低限の用意をして、とにかく行けば役に立てる。迷っている人はとにかく行くといいと思う。PDCAサイクルは駄目だ。これからはDCAPの時代だ。

炊き出しされた芋煮
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SA3E0059 posted by (C)k.harikai

 帰りがけに被災した地域を見た。街は食い千切られた獣のグロテスクさで満ちていた。高速道路の土手がこの街の明暗を分けていた。

田んぼの中に車や船が散らばっている。
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_IGP3162 posted by (C)k.harikai

グーグルのストリートビューと比べると、津波が景色をどう変えたかよく分かる。
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02 posted by (C)k.harikai
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PENT3916 posted by (C)k.harikai
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PENT4098 posted by (C)k.harikai

もちろん工場の中に家などはなかった。
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PENT3974 posted by (C)k.harikai

右の方に写っている家々がない。
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PENT4232 posted by (C)k.harikai

「止まれ」の標識は、今や水平線を望む交差点に立つ。
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06 posted by (C)k.harikai
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PENT4239 posted by (C)k.harikai

被災が激しい地域では、コンビニなどは営業していない。
辛うじて難を逃れた家に住む人々も、多くは移動の足を失っている。
そこで活躍していたのがこれだ。初めて見た。
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_IGP3111 posted by (C)k.harikai

海岸線まで行ってみた。コンクリートの防波堤が千切れている。どういう力が働いたのか? 想像できない。
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PENT4015 posted by (C)k.harikai
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_IGP3126 posted by (C)k.harikai

写真を撮っている男性がいた。車ナンバーは関東だった。凄いことになってますね、と話しかけると、
「涙が出てくるんだ」と彼は答えた。同感である。
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PENT4031 posted by (C)k.harikai

県道38号を南下していくと、突然道がなくなる。いや、陸地がなくなっていた。
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_IGP3220 posted by (C)k.harikai

被災の状況を目の当たりにすると、何をやらねばならないか、この国に何が必要か、
そういったものが沸々と胸の奥にわいてくる。
ただ、現地に行く人は怪我等に気をつけた方が良い。なんの予告もなく道路がなくなっていたり、
マンホールのふたが外れていたりする場所だ。平時だったら立ち入り禁止の柵が張り巡らされて
進入できないような場所も簡単に入れてしまう。

マンホールのふたは普通に外れている。
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PENT4218 posted by (C)k.harikai

半分崩れている道。
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PENT4253 posted by (C)k.harikai

どう考えても普通ならば立ち入り禁止になる堤防を散歩する親子。
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_IGP3232 posted by (C)k.harikai

載せきれなかった写真はココ。
http://photozou.jp/photo/list/966053/4323247

議会改革未満

本会議や委員会での発言は全て会議録に記録されます。そして、会議録署名議員と議長がサインして、記載内容の真正を保証します。ですので、後から「そんなこと言っていない」は通用しないのです。しかしながら、議案の賛否はどうでしょうか? 皆さん驚かれるかも知れませんが、後から「そんなの賛成していない」というのが通用してしまうのです。なぜかというと、誰が賛成して誰が反対したのか、誰も記録していないからです。正確には公式な記録はなく、公表しないメモを議会事務局が残しているだけです。それと、一瞬だけ映るビデオです。

今回なぜ、このような不備に気づいたかというと、共産党市議団が発行している日本共産党鎌ケ谷市議団ニュースNo162に「平成22年9月議会の主な議案、陳情に対する各議員の態度」という項目があります(写真参考 クリックすると拡大できます)。

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SDIM0418のコピー posted by (C)k.harikai

この中のしたから二番目、陳情I鎌ケ谷2区連の回覧手数料課題請求事件にかかる市長の対応について、という項目で、わたしの態度が△(△は継続に賛成)になっています。しかし、このとき、わたしは○(○は継続に反対)になっている人たちと同じ行動を取ったのです。議長はこのように諮りました。
「当陳情の継続審査に賛成の諸君の起立を願います」
わたしは、この陳情は継続ではなく採択するべきだと考えていたので、継続審査には反対の立場でした。ですので、立ちませんでした。わたしの他に立たなかったのは、共産党、未来クラブ、泉議員です。共産党ニュースでは、彼らには○が記されていたのに、同じ行動をしたはずのわたしは△。この件に関しては日本共産党松戸・鎌ケ谷地区委員会及び、宮城議員に対し訂正を要求しました。

話を戻します。共産党ニュースに抗議する為に、わたしは議会事務局にこの件を問い合わせました。公式の記録が当然残っていると思ったからです。しかし、それはありませんでした。最初に述べた、メモと録画映像があるだけ。メモというのは本当にメモで、式次第のペーパーの横に走り書きしてあるだけです。共産党に電話したとき、「議会事務局に確認した」と言っていました。メモを見せてもらうと、このメモが間違えている。わたしはすぐに録画映像で確認してくれと言いました。その結果、わたしが継続に賛成していない場面が確認できました。が、職員の言うとおり「運が良ければ映ってる。悪ければ映らない」というもので、賛否を記録するために撮っているものではないのです。カメラの切り替えのタイミングが悪ければ、誰が賛成で誰が反対か、全く記録に残らないのです。

以下の写真は鎌ケ谷市議会だより第152号です。22年9月議会の審議結果が載っています。

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SDIM0420 posted by (C)k.harikai

議会だよりでは、審議結果は載っているものの、どの議員が賛成で、どの議員が反対かは載っていません。なぜ載せていないかというと、同じ賛成や反対でも、一人一人様々な理由があるからです。わたしもあえて載せる必要もないと思ってましたが、まさか、記録を取っていないとは思いもよりませんでした。

幸い、わたしは議会運営委員会の委員なので、次の議運でこのことを取り上げようと思います。その旨を委員長に伝えて貰うよう、事務局には言いました。

解決策として次の二つを考えました。

■誰が賛成で誰が反対か、事務局は完全に記述し、また完全に撮影し、確認が終わった後に議長に合図を送り、次の議事を進行させる。

■議会便りの原稿を依頼するのと同時に、議案に対する賛否に誤りが無いかを確認させる。

現在、議会改革の一環なのか、議会による議会報告会の開催や、インターネット中継をやろうとか、いろいろと議論されていますが、議案に対する賛否すら記録されてないのが現状です。これは、議会改革などというものではなく、不備だと思います。議案に対する賛否は議員にとって最も重要な責務です。これが明確でないなど、おおよそ考えられないことです。

道野辺保育園視察

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_IGP9959 posted by (C)k.harikai

昨日金曜、道野辺保育園に視察に行ってきました。
鎌ケ谷市には8園保育園があり、そのうちの4園が公立です。
道野辺保育園は昭和39年に鎌ケ谷市で最初に出来た保育園です。
開演当時は60名の児童が在籍。現在は163名です。

今回の視察は、わたしと芝田市議で発行しているSTEP UP NEWSの
市役所のお仕事コーナーで、保育園の仕事を取り上げるためです。

詳細はSTEP UP NEWS vol2をご覧になっていただきたいのですが、
以下はわたしが感じたことです。

園長先生がしてくださった話で興味を引いたのが、昔と今の
保育園の存在意義についてでした。
簡単にいってしまうと、現在の保育園の業務は多岐にわたるそうです。
ただ、子供を預かるだけではなく、親御さんとコミュニケーションを図り、
または、園庭解放などに象徴される、地域との関係性が重要になってきた、と。
園児も増え、開演時間も長くなりました。
迎えにくる保護者も、昭和40年代には、
おじいちゃんおばあちゃんが多かったと言います。
保育園から見える、家族の変化、社会情勢の変化が伺えて
大変興味深い取材になりました。

保育園特集が載ったSTEP UP NEWSは11月28日発行です!
三万部を市内主要五紙に織り込みます。
チラシの中からSTEP UP NEWSを見つけていただき、是非お読み下さい!


給食の試食もしました。とても薄味でした(^^)/
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_IGP9917 posted by (C)k.harikai

渡部編集員が撮ってくれました。園児の椅子に座るわたくし針貝。
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0142 posted by (C)k.harikai

屋上にはプールを完備!
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_IGP9936 posted by (C)k.harikai

園児の椅子と渡部編集委員のD200。バッテリーグリップ付き。
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_IGP9915 posted by (C)k.harikai

文字通り、子供は飛び跳ねてますw 拡大してご覧下さい。
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_IGP9929 posted by (C)k.harikai

消防大特集! 秋の火災予防運動

消防大特集! 秋の火災予防運動

先月、9月議会にて、
「議案第15号化学消防自動車の購入について」という議案が上程され、全会一致で可決されました。また、東中沢愛国自治会館にある、防火水槽撤去にかかる費用の補正も可決されました。

まず、化学消防自動車の購入についてですが、新規に導入するのではなく、前回購入が平成5年であり、17年経過することから更新することになりました。

現在の化学消防自動車
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_IGP8913 posted by (C)k.harikai

契約金額は49,707,000円 車両はH23年3月28日に届くと。
約五千万ですが、このうちの約1800万円は「防衛施設周辺民生安定施設整備費補助金」
という非常に長い名前の国庫支出金から出ます。

化学消防自動車と普通の水槽車ではどこが違うのか?
化学消防自動車は泡を放出するための薬剤が積まれています。この薬剤を水に3%混ぜることにより、泡を噴射して消火を行います。薬液は界面活性剤に泡安定剤や耐熱材、凍結防止剤等を加えたもので、1缶20Lで31,500円。

こんど鎌ケ谷市が購入する機種では、水1,600L 薬液500Lが積載されています。薬液を混ぜなければ、普通の水槽車として使用できます。

では、この化学消防自動車、どのようなときに使うのか?
最近ですと、09年3月23日に成田空港で起きたフェデックス80便着陸失敗事故で、炎上する機体にかけられています。鎌ケ谷市ではH8年に廃棄物置き場の収容物であるビデオテープ類火災で使用されています。このとき薬液は約400L使用。

化学消防自動車の出動を必要とした事故で、現在最も恐れられているのは、タンクローリーの事故だそうです。タンクローリーからガソリンが漏れて引火した場合、通常の放水では消せないそうです。比重の重たい水が油の下に潜ることになり、油は燃え続けるからです。その場合、化学消防自動車の泡で炎を上から覆い消火するのです。

通常の放水ノズル
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_IGP8916 posted by (C)k.harikai

化学薬品用放水ノズル
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_IGP8912 posted by (C)k.harikai

穴の部分から空気を取り込み泡を作る
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_IGP8917 posted by (C)k.harikai


いろいろな放水ノズル。
右のが通常。
下三つは高圧放水が可能で、マンション等で使用するそうです。
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_IGP8928 posted by (C)k.harikai

先端を回して、放水量や、霧状にするかなど、切り替えが可能。
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_IGP8931 posted by (C)k.harikai

進行方向右側に付いているのが防火水層用のホース。先はふじかごといって、小砂利などの水以外のものを入れさせないための網。以前は本当に藤で編んであったとか。現在はプラスチック。
下記にある防火水槽に突っ込んで使います。
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_IGP8919 posted by (C)k.harikai


進行方向左側に付いているのが消火栓用のホース。
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_IGP8920 posted by (C)k.harikai

消火栓が地面よりも幾分深い場合の延長消火栓。
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_IGP8924 posted by (C)k.harikai


次に、愛国会館の防火水槽撤去ですが、撤去してしまって大丈夫なのかと思われるかも知れません。基準では、半径120m以内に40トンの防火水槽、もしくは、直径150mm以上の消火栓があれば安全となっています。では、この付近の状況はというと、40トンの防火水槽が3機、300mm、200mm、100mmの消火栓がそれぞれ1機あります。鎌ケ谷市の地図に基準をクリアした防火水槽と消火栓を基点に120mの円を描くと、市域を91%カバーしています。これは、畑や山林も含めた数値でして、市街地は100%。防火水利は十分に確保されているとのことでした。

撤去が予定されている愛国自治会館前の防火水槽
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_IGP8935 posted by (C)k.harikai

民主党の敗因と第三の道

 毎月第一日曜に発行している市政県政レポート(新聞折込29800部)街づくりかまがや8月号に載せたコラムを転載します。


 今回の参議院選挙で民主党は負けてしまった。理由はいくつかあるだろう。政治と金、普天間問題、消費税。私は民主党がどういう国を創りたいのか、そのことと消費税を結びつけることが出来なかったことに問題があると考える。

 消費税導入が自明の理であるがごとく印象づけてしまったことが問題だ。そうではなく、「こういう社会を創りたい、そのために財源はこれだけ必要だ、だから消費税は何%ほどに出来ないだろうか」ということをしっかり伝えられていればよかったのではなかろうか。

 民主党は今回のマニフェストで「第三の道」を目指すと謳った。鳩山前首相は「新しい公共」といっていた。三選を果たした清水市長は「市民が主役」という。これらの意味を一言でいうとするならば、社会を育てるということ。行政は市民の活動を補助支援するが、その目的は行政が補助支援をする必要をなくするため、という逆説的な理由に基づく。一例であるが、こういう理念も説明すると納得してもらえる。が、説明するまで伝わっていないのだ。

 一つ一つの理念の先に、目指すべき国家像があり、その先に税制や法制度がある。遠回りのようでも、結局は近道。民主党はもっと説明する必要があった。自戒を込めて思う。

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歯がゆい税制などなど(街づくりかまがや7月号主張解説の拡大版)

危機的財政とはなんぞや?

様々な指標の数値や比較を用いて、財政が健全かどうかはさんざん議論されている。今回は数字なしで鎌ヶ谷のあるべき姿を考えてみよう。数字は時に有益であり、時に有害だ。意味のない数字があたかも物事の本質かのごとく、我々の目に魅力的に映る。

鎌ヶ谷市は危機的な財政難であるか?
自分も以前、財政職員に「鎌ヶ谷ってどのくらい危機的なの?」と尋ねたことがある。職員の回答はこうだ。「議員。なんだかんだ言ってもここは首都圏ですよ」結局は比較の問題なのだろうか。

そもそも、地方自治体における財政危機とはなんなのか。市税収入の量であろうか? 借金の残高であろうか? それとも、高齢化率か? 貯金がたくさんあれば安泰か?

はっきり言ってこれらの指標は最終的に意味がない。もちろん、財政再建団体に陥らないように、いくつかの指標をクリアするのは大切だ。その点に関して鎌ケ谷は至って健全といえる(指標自体総務省が恣意的に定めたものであるが)。しかし、よほど特殊な要因がない限り財政再建団体にはならない。全国に市町村は1700余ある。07年の夕張以来おちいった市町村はどこもない。仮に破綻したとしても、企業のように消えてなくなることはない。

自治体の財政に影響するもの

個々の自治体の財政を論じるとき、より重要となるのは、世界経済と税制度だと思う。経済が財政に影響を与えるのは容易に想像がつく。記憶に新しい豊田市の09年度法人市民税が9割減というのは直接的な例である。ほかにも、経済が縮小し売り上げや所得が減少すれば税収も減少する。地方交付税も減少せざるを得ない。

次に税制度の問題。地方交付税や臨時財政対策債、様々な補助金。総務省HPの地方交付税の欄には、そのど頭に性格と称して「地方交付税は、本来地方の税収入とすべきであるが、団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分する、いわば『国が地方に代わって徴収する地方税』(固有財源)という性格をもっています」と書かれている。この中で謳われているように、地方交付税の趣旨は「団体間の財源の不均衡を調整すること」である。地方交付税などけしからん、自治体は自助努力で財源を確保するべきである、という意見もある。豊田市などは市名を豊田に変えてまでトヨタ自動車と関係が深い。現在の税制度では合理的だ。しかし、本当に自治体は自助努力で財源を確保するべきか?
この考え方が良いか悪いかではない。そうあるべきか否かの価値判断の問題だろう。自治体財政に税制度が大きく関わるという観点から、そうあるべきではない、理由を以下に述べたい。

比較優位・バランスを気にする

国や世界は一つの生命体みたいな物だ。頭があり心臓があり手足がある。自動車が走るのはエンジンがありタイヤがありハンドルがあるからだ。個々が豊かになるために重要なのはバランスだ。現在の鎌ケ谷は近年どのように発展してきたか。わたしは東京という巨大都市が必要とする人材のベッドタウンとして整備されてきたと見る。しかし、逆もまた真で、東京が何故あれほど発展できたのかといえば、鎌ケ谷を含む首都近郊に良質な住環境があったからである。これは、持ちつ持たれつというよりも、比較優位的に分業を行い効率性を増したのだ。鎌ケ谷の税収が東京や浦安に比べて低いからといって、微塵も引け目なことはない。本来それを埋めるのが交付税等なのである。しかし、近年自治体の創意工夫を促すという名目で交付税の理念が揺らいできた。現在の税構造では東京や浦安をまねて企業・工場を誘致することにより税収は増え豊かになることは事実だ。だが、分業による比較優位が崩れたとき、全体の生産性が落ちることも明らかである。企業・工場誘致も大切であるが、それにより、本来の優位性が失われることは避けなければならない。


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と、こんなにたくさん街かまに載るはずがないのに書いてしまったので、ブログで全文公開。

wikiの比較優位の表が面白かったので、鎌ケ谷と他市の特産とかを比べて表をつくろうと思い、途中までつくったのですが、無益な誤解と軋轢を生む可能性に尻込みし、急遽A市B市に……orz

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もちろん、上記の表は理論で、現実がこの通り行くはずがありません。ソ連が失敗する一方、ドイツなどは工場や都市を限定し、豊かな自然を残したとも聞きます。日本も市街化調整区域などで一定の縛りはかけてますが、近年これを緩める改正もされてます。ただ、安全保障などは比較優位に全部お任せというわけにはいかないでしょう。吉田ドクトリンなどはある意味比較優位にすませてしまおうというところがありますが。

沼津市へ視察に行きました

先週の木・金と議会運営委員会の視察で沼津市に行ってきました。
沼津市は議会の議事録作成を音声自動認識ソフトで行っており、他自治体よりも迅速に議事録の作成が可能です。また、ホームページで録画した映像と議事録をリンクさせ、しゃべっているところの文字が追えるような仕組みになっています。

確かに、あったらいいとは思いますが、投入できる財源が鎌ケ谷市にはないというのが率直な感想です。アクセス数が月に400前後というのも課題のひとつだとおっしゃっておりました。
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自動音声認識ソフトの実演中

沼津駅前は現在再開発の最中です。平成34年には沼津駅を高架にする予定で、マンションやショッピングセンターをつくっていました。どうして、駅前を発展させる必要があるのかというと、効率的な行政を行うためにも人口が一ヶ所に集中した方がいいという考えからです。鎌ケ谷市ではあまり想像できないことですが、沼津市は20万人が187平方キロメートルに住んでいます。人口は鎌ケ谷の二倍ですが、面積は9倍です。これではインフラの整備等難しいことが多々あると思います。行政サービスを一定にしたい。一定の行政サービスを受けたいとするなら、限界集落等さまざまな問題が浮かんでいますが、ある程度人口を集中させないことには、財政が従来ほど潤沢でない今、難しいのではないかと思いました。
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沼津駅周辺

選挙について 投票について 「チェンジ!」について

成人式の日のブログが「おめでとうございます」だけでは、さすがにおざなり過ぎるだろうと思い、もうすこしメッセージを考えてみました。

成人になるとたばこが吸えて、酒が飲め、その上選挙にも行けます。さて、酒とたばこは、
「飲みたきゃ飲めばいいじゃん、吸いたきゃ吸えば?」
でいいですが、
「選挙行きたきゃ行けばいいじゃん」
とはなかなか言えない。職業上からもなかなか言えない。
では、選挙に行くだけでいいか、と言えば、それはよくない。「誰にしようかな神様の言うとおり」で投票するのはちょっと勘弁です。「顔で選ぶ」というのもかなり人相占いのスキルがいると思います(←でも実際はこの選び方が一番多いみたいです)。
「選挙公報で選ぶ」というのはなかなか良いです。候補者のHPやブログも参考になります。たとえばリベラルか、コンサバティブかなどはこれでかなり絞れます。その候補者が何に力を入れているのか、入れようとしているのかもわかります。
小選挙区は候補者が少ないので、実質政党で選ぶ以外ないと思います。
市議会選挙などは身近なので、議員や候補者に直接会って話を聞くことも可能だと思います。(何でも聞いて下さい!k.harikai@gmail.com)
さて、3・4人に絞ったあとどうするか。最後は直感を信じて覚悟を決めるしかありません。覚悟とは何かというと、最悪の選択をしてしまう可能性があるという覚悟です。ナチスドイツの例を出すまでもなく、歴史上人間は最悪の選択をしてしまうことが多くあります。それでも、今現在考えられる限りの最善の選択をする。「選挙に行って政治が変わった実感がない、自分が選んだ政党・候補者のせいで政治がより悪くなった」選択の結果、仮にそうなったとしても、駄目だったからとあきらめず、絶えず機会ごとに投票を繰り返す。世の中をよくしていくにはそれしかないと思います。
どうしても投票したい候補者がいない場合は、白票、棄権もありです。選択肢の中に正解がない場合は多いです。一般に白票は意思表示だけれども、棄権は意思表示ではない、みたいなことが言われています。私は棄権も立派な意思表示だと思います。むしろ、実際政治にたずさわっている人間にしてみると、投票率の低い選挙の方が後々怖いです。投票率25%だとすると、残り75%の意思は示されず闇の中なのです。投票に行かない人=政治に関心のない人ではありません。それは、議会で行われている政治的なことに大して関心も期待も持っていないだけであり、日々の生活における政治的なこと、自分の身の回りにおける政治的なことに対しては関心があるはずです。自分の周りの政治的なことと、議会における政治的なことがリンクすれば必ず投票行動となって現れます。棄権者のすべてが身の回りのことに一切拘泥しない世捨て人ではないはずです。

また、今あるリソースを活かす、最大限利用するというのも重要だと思います。さんざん政権交代と言ってきて舌の根も乾かぬうちに、という感じで恐縮です。さまざまな選挙の応援で「チェンジ!」を訴えてきましたが、本当に代えれば良くなるのかよ? と疑問に思うことは多々あります。確かに代える必要性は十分に理解できるし、そのための選挙応援もかなりやりました。私は基本的に英雄待望論的なるものには否定的です。理由は二つ。まず、「そんな英雄なんか本当にいるのか? いるように見えるだけではないのか?」ということ。次に、「英雄に頼る以前に、まだ出来ることはたくさんあるのではないか? 神頼みは最後でいいのでは」という理由です。選挙に絡めて言うと、選挙は世の中を変える一手段であり、万能ではありません。英雄となると話がでかくなりすぎですが、他にも、「もっといい先生がいれば、もっと分かり合える友達がいれば、もっと綺麗な恋人がいれば、もっと有能な政治家がいれば……」望むのは結構だし、ぜひ選挙では有能だと思われる候補者に一票を投じてほしいのですが、望むと同時に、今あるリソースを見直し大切にする、活用するというのも重要だと思います。私が今書いた長ったらしいのを、ジョーゼフ・キャンベルがうまい言葉で表しています。
「ここで手に入らないなら、他のどこでも手に入らない。人生はこの世で永遠を体験するためにある。天国はそれを体験する場所ではない。この世こそ、その場所なのだ」

障害者トイレの謎 L字手すり問題

この仕事をしているといろいろと不思議なことに出会います。今回の不思議は障害者トイレの手すり問題です。障害者にとっては不思議だなどと悠長なことを言ってられませんので、12月定例会付議案件等が付託される委員会で改善を求めました。

以前より市民のかたから「総合福祉保険センターと東部学習センターの障害者トイレの手すりがL字でない」という相談を受けてました。今議会の補正予算の中で、福祉保健センター修繕料追加額というのがあり、その中身がL字修繕でした。わたしは教育福祉常任委員会なので、この問題を委員会で取り上げました。
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横手すりだけだと、立ち上がるときに困難で、立ち上がるときは体を引っ張るための縦手すりが必要だとのこと。通常どこも縦横兼ね備えたL字になっている。それなのに、福祉保険センターと東部学習センターはそうなっていない。

これだけなら別に不思議でもなんでもなく、設計図上の見落としくらいですむのですが、同時期にたてられた別の施設はちゃんとL字になっているのです。しかも、当時鎌ケ谷市は現在ほど財政難などではなく工事費をケチるとも思えない。もちろん、後から取り付けるのだから、二度手間で割高な結果になりました。

福祉保険センターが設置されたのはH3年9月。北中沢コミュニティセンターはH3年1月。福祉保健センターにはなくて、北中沢コミセンにはある。

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総合福祉保健センター

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北中沢コミュニティセンター

東部学習センターはH14年3月。粟野コミセンはH14年10月。東部学習センターになくて、粟野コミセンにはあります。

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東部学習センター

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粟野コミュニティセンター

また、東部学習センターにも修繕費が計上されていましたが、東部学習センターの補正にL字補習は含まれていないとのこと。福祉保健センターだけL字が必要で東部学習センターに必要ないなどということはあり得ないので、今後設置するべきではないかと質問したところ、検討するとのご答弁がありました。H22年度予算委員の予定なので、当初予算に計上されているかしっかりチェックしていこうと思います。

ちなみに、本庁舎もL字になっていません。本庁舎は総務委員会の所管なので会議では触れませんでしたが、整合性ある対応を求めていきます。

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本庁舎

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三橋記念館

福田首相 辞任 今後の政治

福田首相が辞任しました。安倍さんに続き、唐突な辞任です。変な話、今後の日本の政治に対し、「これまで通りには行かない。大きな転換期が訪れる」という思いは前からありました。それが、象徴されたような出来事が今回の辞任でした。福田さんは、「野党が……、参議院が……」どうのこうの仰っていましたが、自公政権が回らなくなったのは、政局のせいなどではなく、模糊とした巨大な流れ、「時勢」の要因であるところが大きいと思います。時勢に対応できない与党が悪いのですが、かなり難しいのは事実でしょう。

第二次大戦以降、先進各国が社会政策を厚くする方向で来ましたが、財政的にもたなくなった。外から富を内側にもってきて、配分するような形が失われ、且つ、高齢化社会。日本がいくら金融資産を1400兆円持っていると言っても、毎年借金が増えれば資産は相対的に小さくなります。現在、借金は国債と地方債合わせて1000兆円です。

政治のセオリーとして、短期的に起こった問題には、短期的な政策で対処する。長期的な問題には、長期的な政策で対処する、というものがあります。ですから、ガソリンなどの急激な物価高に対し、手当を施すのはわからないではないのですが、同時に長期的な計画も示しておかなければ、単なるその場しのぎで終わります。

その場しのぎが、「ばらまき」と批判されています。わたしはばらまきの性質が以前とは異なってきていると思います。以前は国外から得た富を国内にばらまいていた感がありますが、今回のばらまきは国内の富を国内にまいています。全体のパイは変わらない。それを、いずれ増税でカバーしようとしており、そのことを隠そうともしない。ばらまかれても、その分多く取られていたのでは意味がありません。

「これまで通りには行かない」というのは上記のような理由で、行政サービスといわれていたものを縮小するか、もしくは、増税で賄うかの選択になってくるということです(国外から流入する富をゼロと仮定した場合)。しかし、増税すれば景気は減衰し国際競争力がさらに低下する恐れがあるなかで、増税で社会保障を維持するというのはなかなか難しい。それは、社会主義国が崩壊している例からもわかります。

そこで、ヨーロッパの先進国は第三の道というもので、今まで行政が行っていたサービスを市民が出来るように仕組みを作っています。行政が行っていた諸々のことを、再び市民の手に返す仕組み。政治が仕組みを作るのは、政治を無用とするため、というユニークなアイディアです。

民主党が政権を執った暁には、今の時代、鎖国というわけにはいかないので、国際競争力を念頭に置き、また、上記のような政策を打ち出すのではないかと思いますが、そう簡単にはいかないでしょう。というのも、なにをすれば市民が自営するのかなど、神のみぞ知るの世界だからです。

先日、厚労省の友人と話していて、昔は老人医療費が無料だった等の話が出た流れで、冗談まじりに、「医療費を無料にしろ!」と言ったら、
「タダより高いもんはないんだぜ」
と言われてしまいました。

次の政権がばらまきをしたとしても、現在のスキームの中では必ず失敗するでしょう。

コラム③ 予算にどこまで厳密性を求めるか

コラム③ 予算にどこまで厳密性を求めるか ―附帯決議について―

 ある支援者の方とお話をしていたら、
「今回の予算、議会はバカである。なぜなら、予算に賛成しておいて、附帯決議で、その予算の変更を求めているからである。予算が気に入らないならば、修正させるか、否決するべきである」
 というご意見をいただきました。
 附帯決議の、
  一 市民夏まつりとYOSAKOIかまがやの補助金は同額で執行すること。
  一 敬老祝金は、現条例に従い執行すること。
 という二項目を指して仰っておりました。
 ちなみに、敬老祝い金改正条例の方は、定例会で否決、臨時議会で撤回承認されたため、現条例で執行されます。夏まつりとYOSAKOIを同額にすると、+100万円かかります。仮に、来年度以降YOSAKOIの補助をなくしたとすると、-300万円になります。

 議会がバカかどうかはともかく、予算と附帯決議で整合性がとれていないことは事実でしょう。しかし、これは、どこまで予算に厳密性を要求するのか、という問題であると思います。

 予算は毎年度、10億円前後の誤差が出て、補正予算で修正されていきます。もちろん、突然寄付金が入る等、予測不能な事態もありますが、見込みを誤ることもあります。そもそも、3500もある予算書の項目を、全て正確に予測したり、チェックしたりすることは不可能です。明らかにおかしい項目や、100億円も誤差が出るようでしたら追及しますが、そうでない場合は現場を信頼します。

 また、コンピューターではないので、一文字違うだけで作動しない、などということもありません。一つ一つ厳密にやっていったら、いつになっても終わらないし、それで、誤差が完全になくなるかと言えば、そんなことはありません。それよりも、ある程度信用して柔軟に対処した方が、効率的に動きます。

 では、予算委員や議会はなにを審査するのか。もちろん、各項目の審議もします。しかし、基本的なスタンスは、予算の方向性を審議するというもの。執行部が市民の意識を反映しているか、妥当性はあるか、などです。

 以上のようなことを踏まえ、法的拘束力のない附帯決議がなぜあるのか考えると、予算に否決するほどの問題点はないが、もし余力があるようなことならば、願わくはこういう方向に持っていってもらいたい、という要望や意志を提示するためです。

 附帯決議に、厳密性や整合性を求めてしまうと、例えば、
  一 市民と行政の協働のテーマに逆行することのないよう改革の名の下に大幅な市民
    の負担増加と市民サービスを低下させないこと。
  一 行政は計画行政を思考している。当然財政も中期的展望をもって対処せなければ
    ならないが、単年度予算に固持して中長期の財政運営に支障のないようにするこ
    と。

 などという決議文も、予算の中でやればいいと言うことになってしまいます。極言してしまえば、附帯決議の存在は予算の予測不可能性を前提としたものであるわけです。逆に言えば、予算と整合性がとれている附帯決議などないか、あるとすればさらに漠然とした要望です。例えば新銀行東京への追加出資に関する附帯決議などは、
  一 今回の追加出資は、預金者や融資先中小企業の保護のためにやむを得ざるものと
    判断したものであり、今回限りの措置であること。したがって、さらなる追加出
    資は許されないこと。
  二 都は、新銀行東京が、今回追加出資する四百億円の資本を棄損させることのない
    よう、適切な監視に努めること。
  三 都は、新銀行東京の再建計画が円滑かつ効果的に実行されるよう体制を整備する
    こと。具体的には、新銀行東京の経営の支援及び監視のための専門組織を設ける
    こと。

 ケチのつけようがない附帯決議かも知れませんが、あえてケチをつけるとすれば、一などは、「さらなる追加出資は許されない」とされています。将来本当に必要なときがくる可能性もあり、わざわざ今言わなくても、その時否決すればいいだけの話です。二は「はい、わかりました」と言われればそれまでの話で、いちいち言う意味がない。三は附帯決議には法的拘束力がないのであるから、「専門組織」を設けた後に可決しなければ本当はおかしい。

 附帯決議は一見ナンセンスです。それでも、附帯決議があるのはなぜか。法的拘束力がなくても、信頼があるからです。そして、その信頼に応えてきた歴史があればです。さらに言ってしまえば、法的拘束力すら、法的拘束力を拘束する確固とした拘束力があるわけではなく、やはり、信頼のようなもので出来ています。「よろしく頼む」や「しっかりやってくれ」という言葉それ自体は直接的な強制力を持ちません。だからといって、その言葉が無意味、ナンセンスであるかどうかは、背後にある様々な関係性に依拠しているはずです。



2008/5/15
駅頭等でお配りしたチラシで事実と異なる記述がされておりました。読者ならびに関係者各位にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げるとともに以下のように訂正いたします。

【誤】 臨時議会に上がってきた改正条例も否決されたため
【正】 定例会で否決、臨時議会で撤回承認されたため

コラム② ――世界と国と地方――

コラム第二弾。
駅頭でお配りしている針貝便り、新年号に載せたものを加筆修正したものです。


コラム② ――世界と国と地方――

 失われた10年がわだかまりを残して過ぎ去った。来るべき10年はわだかまりが実態として出現しそうだ。
 05年の90年度比のGDP成長率は米国、5.24%。中国、12.62%。世界全体では4.94%。日本、0.78%である。相対的に日本は貧しくなった。国の経済の停滞は当然地方にも影響する。
 夕張が財政再建団体になったのは07年の3月。まだ一年も経っていない。夕張は氷山の一角と言われる中、第二の夕張になるな、と多くの自治体がスローガンを掲げている。夕張は炭都として、12万の人口を有していた。現在は1万3千人。10分の一に減少した。高齢化率は全国の市で最高の39.7%。ちなみに鎌ケ谷は17.2%。破綻の直接の原因は、エネルギー政策の転換、石炭から石油へ、である。法人税や雇用が失われただけでなく、水道や住宅といった企業が整備したインフラを引き継ぎ、社会基盤整備に583億円をつぎ込んでいる。アラブから石油がなくなったようなものだ。技術がなくなった日本と言った方がリアルか。健全な財政運営さえしていれば悲劇は起きなかったのか。そもそも、このような大きな力の前に、自助努力、地方自治は成り立つのであろうか。夕張は同じ日本国である。公平さが担保されない限り、地方自治、民主主義が機能しているとは言えない。生贄にして見捨てることなど許されないはず。自己責任論を流用した夕張バッシングが度々行われてきた。私も含め、それに乗せられた人々は、今思えば、自らを嘲り、批難しているにすぎなかったのである。
 右肩上がりの時代は均等に再分配が行われていなくても、財政破綻が起きるようなことはなかった。しかし、分けるパイが少なくなった今、これを均等に分けなければ貧しいところへしわ寄せが行く。暮らすに事欠くところが出てくるのは明白である。すでに、限界集落等では農業や林業が営まれなくなってしまった。ここにも、優勝劣敗、市場原理を導入しようというのであろうか。
 明治以降、中央政府指導の下、地方はそれぞれの役割を担ってきた。東京ならオフィス街、鎌ケ谷ならベッドタウン。仮に図らなかったとしても、この構図が出来上がったのは事実である。鎌ケ谷というベッドタウンがあるからこそ、東京が機能する。三位一体の改革とやらで、条件も揃えず地方も東京も用意ドンでは些か不平等である。大都市との格差を平す唯一の手段が合併とでも言うのであろうか。市町村合併特例法が改正されたのが99年。だいたい時期も重なる。なら、三位一体ではなく、四位一体だ。
 06年度の鎌ケ谷の財政力指数は0.784。様々な要因があるので、一概には言えないが、数値が高い方がリッチな自治体と考えてもらって良い。千葉県35市の平均は0.867。鎌ケ谷と同じ、都市、と分類される全国の平均は05年度0.62。夕張は06年度0.237。
 一昔前まで日本人一人当たりのGDPは世界一だった。今や22位。財政が厳しくなるのも分かる気がする。地方に思うように金が来ない今、行政サービスも、ハードからソフトに移行し、且つ、金のかからないソフトにしなければならないのか。

コラム①

街頭にて演説や民主党の政策をお訴えするとき、プレス民主というビラをお配りしているのですが、私も何かコラムみたいなものを書きたいと思い始めた次第です。コラムというには些か量があります。コラム的なものということで……。

駅頭でお配りしているプレス民主に載せたコラムを加筆修正したものです。



 コラム① なぜ議会はあるのか

 支援者の方から、「議員多すぎ、20人にして。そうすれば一億円浮く」という提言を頂きました。同じ日に他の支援者の方からは、「議員は重箱の隅を突くようなことをしないで大局を見ろ。細かいことは行政マンの方が詳しいのだから任せておけ」というアドバイスを頂きました。

 よく議会は「チェック機関である」と言われていますが、三権分立の概念からいうと、議会は立法機関です。本来の自治というものは、自分たちが治める場所に自分たちで「権力」を布くというものです。これが民主主義。民主主義とは王権に虐げられた市民が、いかにして権力の所在を市民に移すかの思想です。多数決原理とは関係ありません。

 先ほどの「権力」は法治主義の国家において「法」と読み替えることができます。議会(市なら市議会)が国家の最高機関とされるのはこのためです。すなわち、市民に選ばれた代表者たちが法(権力)を制定するからです。大統領ですら立法権はありません。議会はチェック機関ではなく、立法機関であることがご理解いただけたと思います。

 さて、ではどうしてかくも度々「議会はチェック機関である」と言われてしまうのでしょうか。行政国家現象が起きているからです。民主党の小沢代表などは、「官僚が政治に手を染めること自体、民主主義に反する」と言っています。民意で選ばれることのない(落とされることもない)官僚や行政マンが、市民を支配する法を立案しているのですから、確かにおかしな話です。でも、これが実情。夜警国家ならいざ知らず、超煩雑化した近代国家において、議会があらゆる法律を立案するのは不可能です。議会は委任立法に頼るしかなく、結果、上程された立案を審議するだけの機関となってしまいます。確かに、「細かいことは行政マンの方が詳しいのだから任せておけ」というのは現在の政治機構からみてある真理を突いています。

 次ぎに、議員の定数ですが、この問題は先日行った、けいじの政治 THE LIVEでも会場の方から「厳しい財政状況の中、議員の定数を減らすべきではないか」というご質問を頂きました。私は以下のような趣旨をお答えしました。
「効率化を追及するなら一人もいらない。実際、前近代や独裁国家に議員(市民が選ぶ代表者)はいなく、それでいて天下太平な場合は大いにある。民主国家において何人が適正かは正直わからない。金がかかるから議員の数を減らすべき、というのは議論が違う」

 一つ確かなことは、議員がいなくなって一番喜ぶのは執行部(行政)です。自分たちの法案が無条件で通ってしまうのですから。故に、今最も恐れられているのは、議会のチェック機能の形骸化です。議会がない、もしくは、形骸化するということは、全権委任と同じことがおこるというわけです。我々議員は立法することもさることながら、行政が上程する議案をしっかりと精査しなくてはなりません。

 こう書いてしまうと、まるで執行部が市民を迫害する権力であるかのように聞こえてしまいますが、昔の西欧の王権ならいざ知らず、現在の我が国などは、執行部の長(市長)もまた、民主的正当性を得ている存在です。ですから、市の職員も公僕といわれるように民主的プロセスの一環です。つまり、議員だけではなく、職員においても、「金がかかるから削減すべき」という議論はよくよく留意すべきだと思う次第です。

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